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冬季うつについて

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冬季うつについて

 立冬が過ぎました。あと1ヶ月半ほどで年が明けますね。
早いですね。。。
 私が暮らす広島の11月11日の日の出は、AM6:39、日の入りはPM17:08 です。どんどん日照時間が短くなっていき、冬至(2022年は12月22日)の頃になると日の出はAM7:12、日の入りPM17:02。日照時間は10時間ほどになります。
 一方夏至の日照時間は14.5時間ほどで、4.5時間もの差があります。

冬の準備

 冬という季節は、野生動物にとって生命の危機であり過酷な季節です。植物も育たないので、エネルギーを蓄えておく必要があります。獲物を捕るのもエネルギーを消費しますし、そもそも獲物がいないので効率も悪い。そんな理由から、の一部の生物は冬眠をしますね。リスなどはそのためにたくさんの木の実を貯めこんだりします。
 植物も同じです。秋には葉は紅葉し、そして散って、木自体の体力を温存するわけです。

 このように、自然界では自分たちの命を守るために、厳しい冬に備える行動をとる動植物がたくさんいるのです。

 では人間はどうでしょうか?

人間の冬支度

 二十四節気の立冬(11月7日)は、大きな公園などでは“こも巻き”という行事が行われるところがありますが、これは寒さの厳しい時期に、松の木にいる害虫がこもと呼ばれる“むしろ”に潜り込み越冬し、春になるとそれを外して燃やしてしまうという、昔からある害虫駆除法です。(最近では効果が薄いことが分かって取りやめているところが多いそうですが)
 昔からの風習は、それが科学的に正しいかどうかはさておき、季節による自然現象の変化を節気として人々に伝え、心と身体の準備をしようという行事が多くあります。

 現代はというと。。

 9月に入ると、学校などの制服はまだまだ暑いのに衣替えします。そして、中旬を過ぎるころにはハロウィン、ハロウィンが過ぎるとクリスマス。このように、まずカレンダーからの情報で季節の移り変わりを、主に経済活動のために促します。
 そして人間界というのは、どの季節であっても一定です。
 🔹朝起きる時間も寝る時間も同じ。
 🔹学校や仕事の開始時間、終了時間も同じ。
 🔹一年中同じものを食べることが可能。
 🔹社会の動きも季節で変化があるものは少ない。

 では人間は自然の変化を肌で感じていないのでしょうか?

ヒトの野生的能力

 太陽の光の強弱や角度、日照時間、気温や湿度の変化、季節特有の匂いなど、自然環境の移り変わりを察知して、次の季節の準備をする野生生物とは大きく違う人間ですが、だからと言ってそういう能力が初めから無いのでしょうか?それとも退化したのでしょうか?

 冬季うつに悩まされたり、冬季うつほどでもないけど冬が嫌いな人などは、この季節の感覚をものすごく鋭く持っている人が多い印象です。
 実は私自身もその一人です。そして、発達に課題がある子どもや大人たちにもこのような野生的能力が強くある人が多いように思います。

太陽のありがたみ

 やはり地球に住む以上、太陽の恩恵は全生物に共通するものだと思います。その恩恵は過ごしやすい時期があり、そして、生命が脅かされる程の過ごしにくい時期があることで実感するものだと思うのです。
 現代はどこでも冷暖房が完備されていて快適に過ごせます。だからついつい過ごしにくい時期があることを忘れがちです。太陽のありがたみを感じる暇もないほど日々を暮らすために一生懸命、言い換えると、自然由来ではない、とても緩やかな生命の危機を年中感じている生物なのかもしれませんね。

冬は生命のエネルギーが落ちて当然

 ここまで読んでいただいて、冬に元気がなくなり、何をするのも億劫、やる気や意欲がわかない、などの症状は、もしかして当たり前なのでは?と思われた方がいらっしゃると思います。そうですその通りです。
 でも、年中同じサイクルで生きなくてはいけない現代人は、冬だから学校休みます、、仕事休みます、、と言えないんですよね。
 そうなんです。もちろん、日照時間が短いとセロトニンの分泌が減少するからという科学的な説明もできるのですが、休みます!など『そのように言えないこと』、それが冬季うつ(季節性感情障害)の最大の要因なんだと思っています。

少し楽になる方法はあります

 どうして “少し” なのかというと、即効性や劇的変化というわけではないからなのですが、だからといって効果が薄いわけではなく、長い目で見ると絶大な効果があると思っています。

それは、、、

1.自分には野生的感性が鋭い長所があるんだと自覚する
2.自分だけは、その野生的感性に従う
3.苦手な季節のいいところを見つける

 この三つを常に心に刻んで頂きたいと思います。

 まず一つ目です。

 1.自分には野生的感性が鋭い長所があるんだと自覚する

 そもそも人間界の一年中一辺倒な過ごし方は、心にも身体にも悪くて当然なんだということ。身体が悲鳴を上げるのは至極当然で、そういう感性を忘れていない、自然派な身体の持ち主だと自分に誇りを持ってください!

 そして二つ目

 2.自分だけは、その野生的感性に従う

 一つ目の自分の感性に誇りを持つことができれば、おのずと自然に従えるようになります。“自分だけは” という言葉を付けました。これは、社会生活を営む上で、野生的感性に従うことばかりはしていられない時もやってきますが、そんな時、わざわざ会社の人に『私って野生的感性が鋭いんです!』などと説明する必要ないということです。
周りの人に分かってほしいという気持ちはよくわかります。ですが、それを主張することで逆に自分が苦しくなることも大いにある、それが現代社会なんだと思うんですよね。なので、人には言わないで『よく頑張った!自分!!』とほめてあげたり、無理だったらお休みとったりしてください。
 もちろん、気の合う仲間でそういうお話をされるのは一向にかまわないと思います。

最後に、これは他でも使えるやつです!

3.苦手な季節(ここでは冬)のいいところを見つける

 例えば冬のファッションが好き、とか、暖かいお鍋などの食べ物がおいしい、とか、空気が澄んでいて気持ちいい、とか、こんな風に、嫌いな季節にもいいところ、好きなところがあることをできるだけたくさん発見します。分かり切っていることでももう一度よくかみしめて実感するのです。
 その時の注意事項として、『夏のように汗だくにならないからいい』など、否定形で考えないようにしてください。ほかの季節と比べるのではなく、あくまで単独で冬のいいところを見つけてください。
 

 これは、苦手を克服するときに使える技で、例えば虫が嫌いな人が、あの虫はだめだけどこの虫はちょっとかわいい、とか、嫌いだと思ってたけど顔は意外とかわいい、などいいところを観察して、苦手度合いを減らしていく方法です。
 克服したいことがある方はぜひやっみてください^^

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最後に

 冬季うつの辛い症状のある方は、ぜひ無理しないように注意しながら、調子の悪くない時をねらってぜひやってみてください。
 東洋医学では、今の身体のケアが3か月後に出てくると言われているようです。今、体を労わって、季節に応じた対処をしていれば、春の不具合が防げるということになります。それを繰り返していけば、すなわちいつも季節を意識した生活をしていれば、大きく調子を崩すことは減りそうです。
 またいつかこのことについても記事にしたいと思います。

 コメント欄が下の方にありますので、ぜひともコメントを残していただけると嬉しいです。

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