気候と体調の関係
史上最悪クラスの台風が上陸しようとしているせいで、全国的に天候が不安定なところが多いようです。
みなさま、台風の備えは是非ともしっかりとなさってください。食料と水の確保、そして庭やベランダの風で飛びそうなものの片づけ、危険な個所は土嚢の準備などでしょうか。
低気圧がやってくる!ヤァヤァヤァ!
台風前になると気圧が急降下するため、体調を崩す人が急増します。本日9月18日も例外ではなく、すごい勢いで気圧が下がっています。
低気圧が近づくとよく聞かれる症状に、頭痛、関節痛、肩こり、めまい、耳鳴り、などがあります。このように体調に影響を与えるのは、自律神経という生物にはなくてはならない機能が関係しています。
そして、台風などのイレギュラーなイベントではなくても、、、
季節の変わり目
生徒ちゃんのご自宅近くの山になっていた栗🧡
9月も中旬を超えましたが、まだまだ暑いですよね。ここ数年はいつまでも暑い、“酷暑の残暑” というイメージがあります。
そうは言っても地球の営み的には、北半球は秋に突入しているんですよね。日の出も遅く、日没も早くなっていますし、虫や草花も秋の気配がしています。今週はお彼岸ですし。
この、季節の変わり目、とくに夏から冬(すなわち秋)、そして冬から夏(すなわち春)に体調を崩す人がとても多いです。これも、自律神経が関係しているんです。
調子を崩しやすい人は。。
メンタルの調子が良い人も悪い人も、健康な人もそうでない人も、天候や季節の影響を受ける人は多いですが、特にメンタルが弱っている人や発達障害がある人、天候に敏感な人などは、大人も子どもも季節の変わり目が苦手な人が多いです。季節の変わり目というと4回あるみたいに思いますが、だいたいが春と秋の2回、調子を崩す人が多いように思います。
現在指導をしている発達障害持ちの子どもたちも、ここ数日ほぼ全員がお休みしたり、時間短縮したりなど、調子を崩していますし、大人のカウンセリングのクライエント様も、体調が良くないとおっしゃる方が多いです。
ちなみに私自身も春と秋に調子を崩しやすい体質なので、特に気をつけています。
しかし、「季節の変わり目なんて、特になんてことないよ?」という人がいるのも本当ですよね。この差はなんなのでしょう?いつも気分良く過ごしたいですよね。
キーワードは野生の勘
我々生物は、太陽がなくては生きていけません。しかし、当たり前すぎてこのことを忘れているという人の方が多いのではないでしょうか?
そもそも、夏と冬とでは身体を維持するシステムが大きく違います。そのシステムが入れ替わるのが、春と秋なんですね。
夏に精力的に活動した身体は、秋にその疲れを癒すこと、そして厳しい寒さに耐えるための準備を始めます。野生動物達も、冬眠の準備をしたり、暖かい場所へ移動したり、生きる為にやらなくてはいけない必須のイベントがあります。
厳しい寒さを耐え抜いた身体は、暖かい太陽の日差しでエネルギーを補給、体力を回復させ、繁殖など種の保存に向けた営みを始めるものです。
では人間の場合はどうでしょうか。ヒトという生物も、そのような野性的感性が多かれ少なかれ残っています。
1日のうちで、活発に動く時間と休息などをするリラックス時間に分かれることは、昨今の健康ブームなどでご存じの方も多いと思いますが、1年を通しても、このような生物の自然なリズムがあるのです。
太陽がすべて握っている
1年を通して日照時間の違いがどれくらいあるか、気にしたことがありますか?
日照時間が一番長い夏至で、約14時間半ほどです。一方、一番短い冬至では約9時間半と、約5時間もの差があるのです!!!
5時間も違えば、動植物の営みが季節を通して同じではいられないことが分かりますよね。にもかかわらず、人間はどうでしょうか?冬に労働時間を抑えたりするでしょうか?
人間の場合はそのような社会システムにはなっていません。心身のシステムは動植物とさほど変わらないのに。
個人の特性として
やはり調子を崩しやすい人は、野性的感性が強いのではないかと思われます。これも個々の重要な個性です。逆に言うと生命力というか、生きる為の能力が高いのかもしれないですよね。身体が危険を察知するのですから。
現代人は夏も冬も、朝も夜も、いつも同じように振る舞うことを求められがちです。コンビニが24時間開いているし、日照時間が違っても仕事の時間は変わらない。したがって起きる時間と寝る時間は変わらない。敏感な人が社会生活に感覚が狂わされる事も不思議では無いわけです。
かといって、全ての社会生活を太陽の動きに任せるというのも、現実的ではありません。このような場合、出来ることはあるのでしょうか。
体の声を聴く
2017年に105歳でご逝去された、日野原重明先生という元聖路加国際病院の名誉院長をご存じの方も多いと思います。
この日野原先生が生前、書籍だったかインタビューだったか、媒体は失念してしまったのですが、『イチロー選手や中田英寿選手、北島康介選手といった一流のアスリートは、自分の身体の少しの違いを見逃さない。ほんの少しの違和感に気づき、対処している』という趣旨のことをおっしゃっていました。
これは何も、特別な才能があるわけではなくて、自分の身体とコミュニケーションがとれているかどうかという本来とても自然なことなのだと思うのです。
もし一般の人が『なんだか風邪気味だな~、、、のどが調子悪いし頭痛もするな~』と感じたとすると、それはもう、一流アスリートからすると重病じゃないか!?くらいのレベルの話しで、要するにそこまで放っておかない(おけない)ですよ、もっと敏感に察知しないとアスリートなどやっていけませんよ、ということなんです。
しかし何も、アスリートになれと言っているわけではなくて。。
“頭”は基本、身体を休ませてくれない
さて、またかと思われるかもしれないですが(笑)
ここでまたしても、『頭と心と身体』の三角関係(←ブログVOL.2)の出番です。
基本的に頭というところは、心と身体を統制しよう、支配しようとしています。
昼間に「眠いな、、、」と思っても、⦅会社のデスクに突っ伏して寝るなんてかっこ悪い、、⦆とか、⦅評価が下がる、、、⦆とか。
「お腹が痛いな、、、」と思っても、⦅気のせい気のせい、、、⦆とごまかしたり、⦅適当な薬飲んで鎮めよう、、、⦆となったり。
このように少しの身体の声に気付いている場合もあれば、気づいていない場合もよくあります。
⦅なんとなく今日は調子が上がらないなぁ、、、⦆と意識せず無意識に感じていたり、、、
⦅お腹すいていないけど、今食べておかないとお腹が鳴るのが恥ずかしい、、、⦆などは事前に身体の声を封じ込める作戦で。。。嗚呼。。。
そんなこと言っても無理だ!
- 社会人たるもの、そんな甘いこと言ってたんでは務まらない!
- 給料もらうためにはちょっとのことなんて無視して当たり前だ!
- サボって他の人に迷惑かけるあの人と同じにはなりたくない!
- 今しっかり勉強しておかなければ、第一志望の学校に入れない!!
このようなことを思いついた人も多いのかもしれません。
現代社会では確かにそうですよね。少しの身体の変化に敏感に対応して甘やかしてなどいられない。それも現実です。
しかしながら、身体と心の声に耳を傾けて、今できることと後でないとできないことを分けて考えられて、両方の落としどころをうまく見つけ、しっかり対処できればどうでしょうか。
やはりそのためには、心と身体の声を聴く訓練が必要になってきます。頭の声ばかりを聴きすぎている現代人には、その時間が必要なのだと思うのです。
瞑想の勧め
瞑想と聞くとなんだかカルトっぽいとか、怪しい感じがするとか言われる方もいます。
しかし今、臨床心理学の分野では、ここ何年も盛んに研究が進められている分野で、マインドフルネスと言います。iPhoneをお持ちの方なら見たことあると思うのですが、ヘルスケアアプリにも標準搭載されていたり、アメリカの企業では福利厚生に取り入れられたりしています。
もともと禅の修行からヒントを得ているので、宗教っぽいと思われる方は間違ってはいません。
しかし、創始者のジョン・カバット・ジンという臨床心理学の研究者が、宗教っぽいところや科学的でないところは取り除き、心理学的理論と組み合わせ体系化されたものです。
マインドフルネスを簡単に言うと
『今、ここ』を感じるということです。
たとえば、『目を瞑って、閉じられた口の上と下の唇が触れ合っている部分をずっと感じ続ける』などです。
これを3分くらいから始められるといいと思います。多分5秒もすると別のことを考え始めていると思います。気づいたらまた唇に戻るというのを決めた時間で繰り返すのです。
常に客観的に考えられる癖がつく
マインドフルネスを続けると、かなり長い時間で出来るようになってきます。
すると、“俯瞰して考える” とはよく言いますが、常に本当に自分を数メートル先から他人のように眺められるようになってくるのです。
これができるようになると、慌てたり、落ち込んだり、失敗を引きずったり、自分を責めたり、ということが本当に少なくなるのです!
そして、“頭” の独裁を防ぐことができるようになってくるのです!!
終わりに
今回も新しくキーワード、『自律神経』『意識と無意識』など出てきました。
またの機会にこれらにも触れたいと思います。
VOL.4に続いて、またマインドフルネスにも少し触れることができました。
またこのテーマについても書いてみたいと思います。
今日はお勧めのマインドフルネス関係の書籍をご紹介しようと思います。
マインドフルネス創始者のジョン・カバット・ジンの信頼できる書籍です。 |
同じくジョン・カバット・ジンのCDつき実践版です。 |
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